Live A Berry

 朱志香 右代宮・現在20代目~がお送りする、 ゼーン大陸物語のプレイ日記。 ゲーム内画像の著作権は(株)アルティに帰属します。 ネタバレ等の配慮はしておりません。あしからず。 日記と関係のないコメントは、見つけ次第削除いたします。よろしく。
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……ねぇ、楓さん。


こんな陽月が傍にいたって、嫌だよね。


月花と風花の成長するの、見てからでもいい?
もう少し、みんなと一緒に生きていてもいいかな?


……いくつか誕生日を迎えて、陽月が召されるときには、迎えにきてね?



月花と風花の成長話をお土産に、貴方の傍にいくから。


寂しいけど、今は、頑張って生きていくから。


貴方には、また逢える。


だからもう、泣かないよ。


陽月がこんなんじゃ、楓さんも安心できないもんね?

もう、大丈夫。



………大丈夫。





「ただいま」


家のドアを開けると、なんだかいい香りがした。


「あっ、ママ!おかえりなさぁい!」


陽月に気付いた風花が走りよって来る。


「かーさま、おかえりなさい!まだ全部支度できてないの、ちょっと待っててね?」


月花がキッチンから叫ぶ。


「え、え?何?今日、何かあったっけ?」


風花にこっちこっち、とひっぱられながら、なにがなんだかわからずに問掛ける。


「うん、あのね?ママ、元気ないから、月ねーさまと二人で、ママが好きなものいっぱいつくったの!
メインはねーさまで、デザートは風花がつくったんだよ!」


言われてから改めてみると、確かにテーブルの上には陽月の好きなものばかりが並べてある。


促されるままテーブルにつくと、月花が出来上がった料理を運んできてくれた。


「あんまり美味しくないかもしれないけど…あのね、かーさま最近、あんまりご飯食べてなかったでしょ?
お腹がすくとね、哀しい気持ちも倍増しちゃうの。だから、いっぱい食べて、元気だしてもらおうと思って」


月花が微笑んで、ナイフとフォークを差し出す。


……そういえば葬儀からこっち、ほとんど食事なんてしてない。


通りで、マイナスの考えしか出来なかったはずだ……なんて、今更の言い訳なんだけど。


二人の視線を受けながら、料理を口に運ぶ。


「……美味しい。月花、いつのまにこんなにお料理上手になったの?」


言うと、月花の笑顔がぱっと輝いた。


「わぁい、よかった!ほら、ふーちゃんも食べて!」


本当に嬉しそうに月花が微笑い、風花も笑顔で料理を食べ始めた。


こんなに温かくて優しい時間は、久しぶり。


こんなに温かくて優しい時間は、久しぶり。


……この子たちを置いていこうなんて、どうして思えたんだろう。


そんなことしたら、楓さんに怒られるだけなのに。




「……あのね、かーさま?」


食事する手を止めて、月花が呼んだ。


「ん?なぁに?」


月花を見つめて問掛けると、ほんの少し悲しげな目をして、言った。


「あのね……どんなに頑張っても、月花とふーちゃんは、とーさまにはなれないの……でも、ね」


そこまでいって一息ついた月花が、悲しげな目のままふわりと微笑んだ。


「とーさまの代わりに、かーさまの傍にいることは、出来るの。
かーさまが悲しい時は、月花とふーちゃんが傍にいて、手を握って、よしよしってしてあげる。
だから……とーさまのとこに逝くなんて、言わないで」


今にも泣きそうな笑顔。


隣で、声も発てずに涙を流した風花が、ママ?と呼んだ。


「風花ね、甘えんぼだけど、ママが寂しいときは、我慢する。
ねーさまと二人で、ずーっとずーっと、ママが寂しくなくなるまで、傍にいる。
だって…だって、今、ママまでいなくなっちゃったら、風花……もっと泣いちゃう……
ママ、今は、ねーさまと風花のママでいて?パパだけのママにならないで?ね?お願い……」


ぽろぽろ涙を溢しながら風花は言って、その溢れた涙をごしごしと拭った。



……陽月はこの子たちに、どれほど寂しい思いをさせたんだろう。



『楓さんのところに逝きたい』


……言葉にしたことはなかったけど、気配で感じていたんだね。


陽月が楓さんのところへ逝ってしまうんじゃないかと、この子たちはすごく悩んだんだろう。


……酷い母親。


陽月は、月花と風花の前に跪いて、二人の頬に手をあてた。


「……ありがとう、月花、風花。もう、平気だよ?楓さんのとこに逝きたいなんて、いわない。
月花と風花を遺して、ケヤトロに逝くなんて、言わない。そんなことしたら、パパに怒られちゃうもんね。
……二人とも、愛してるよ」


陽月の言葉に、風花が泣きながら笑う。

月花も、泣きそうな顔で笑う。


見つめた二人の瞳は、いつもと変わらない、綺麗な色。







アメジスト色の瞳。

楓さんと、同じ色の瞳。





あぁ、こんなにも傍にいた。


一番近くで生きていた。


なのに気付こうとしなかった。


……ごめんね、楓さん。


貴方の声を、聞こうともしなかった。




『……いつも、傍にいるよ』




幻聴かな……?
でも、頭の中に響く声は、微笑む気配と共に、再び聞こえた。



『俺はいつも傍にいるよ。きちんと、生きてね?
此処に今すぐ来てほしいなんて、思ってないから。来たら追い返すよ?
……月花と風花の成長を、こっちにきたら教えてね?
……俺だって、陽月と離れ離れで寂しいし、悲しい……
でも、陽月が悲しいときには、月花と風花と共に、よしよしってしてあげる。
だからもう、泣かないで。……ケヤトロで会える日を、待ってるから』





……そうだね。
楓さんは、生きてる。


陽月の中に、娘たちの中に、生きているんだ。


永久の別れなんかじゃ、ないんだ。



「……もう、大丈夫」


陽月が呟くと、月花と風花が不思議そうな顔で陽月を見た。


「パパは生きてる。ママと、あなたたちの中に。だから、大丈夫。もう、泣かない………」



そういって二人を抱き締めると、二人同時に、安心したように溜め息をつき


「ママぁ……」
「かーさま……」


と言って陽月にしがみついて、泣いた。



陽月は二人を抱き締めて、誓った。



陽月が召されるその日まで、共に生きることを。


傍に居て、楓さんの分まで、
この子たちを愛することを。








……楓さん。


陽月の事好きになってくれて、
お嫁さんにしてくれて、本当にありがとう。
楓さんに愛されて、陽月は本当に幸せでした。

陽月は少しでも楓さんの事、幸せにしてあげられていたのかな?
我侭で、迷惑ばかりかけていた気がして、それだけが心配です。

しばらく離れ離れになっちゃうけど
「さよなら」は言わないよ?
だって別れじゃないもんね?
またケヤロトで会おうね?

陽月はずっと、楓さんを愛しています。
…今までありがとう。




また、ね?
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コメント

まずは…ディアお兄ちゃんのばかーー!
もう本当泣かせすぎだから…
うん、もう泣かないから安心してね?
今は娘たちの成長を楽しむの。

陽月たち夫婦を好きって言ってくれてありがとう。
陽月はディアお兄ちゃん雅おねーちゃん夫婦が大好きだったよ?
すごい憧れてました。
陽月たちと仲良くしてくれてありがとう。
娘の月花と風花をどうぞよろしくね?

素敵なSS本当に嬉しかった。
大切な宝物にするね。
ディアお兄ちゃん ありがとう!
ひーちゃんを残して逝くのは気がかりだったけど、SS読んで更にごめんねって気持ちに…!
でも俺はいつも見守ってるって気付いてくれて良かった。
最後近くの台詞は本当に俺の気持ちまんまだ。
俺たち2人だけじゃなくて、娘2人も書かれているのがまた嬉しい。

ひーちゃんも言ってるけど、俺たち夫婦を好きだと言ってくれてありがとう。
素敵なSSを貰って夫婦で喜んでるよ。
でもこのSSは読むたび泣かされそうだ…。

ディアッカ、本当にありがとう!
ひー&楓さん>

馬鹿とは何だww

泣かせてなんぼのSSですよこれは!!
君ら夫婦に泣かされたからね、仕返しだぞ!w


というのは冗談だけど、勝手に憧れの夫婦にしてたからな。
今世は2人のおかげ、義姉さん夫婦のおかげ、みんなのおかげで楽しかった。

至らないことだらけのヘタレで泣き虫な俺と遊んでくれた人たちに、ありがとう。


ケヤトロじゃないよって教えてくれてありがとう・・・www


読む度泣くがいいよ!!


楓さん、ケヤトロ・・・じゃねぇ、ケヤロトでな!

ひー、ちゃんと寿命全うしてからケヤロトで会おうな!!


月花、風花、娘と息子をよろしくな!!

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プロフィール

朱志香 右代宮

Author:朱志香 右代宮
~現在二十代目~

武術:ルース魔法師団・ナーイ拳術師団・武功門(たまにリズリー戦士団)
仕事:カツーリ協会


~中の人~
ゲームと読書が大好きな2児の母。

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