Live A Berry

 朱志香 右代宮・現在20代目~がお送りする、 ゼーン大陸物語のプレイ日記。 ゲーム内画像の著作権は(株)アルティに帰属します。 ネタバレ等の配慮はしておりません。あしからず。 日記と関係のないコメントは、見つけ次第削除いたします。よろしく。
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葬儀から何日経っても、悲しみは増すばかり。


二人で行った庭園も

みんなと一緒に仕事した畑や森も



どこをみても、淋しくて哀しいだけ。




……楓さん。


もう、陽月は、貴方のいない世界に耐えられない。









思い詰めた陽月はある日、竜堂家の家のドアを叩いた――
……ドアを開けたディアおにいちゃんは、泣き腫らした顔で立つ陽月に相当驚いていた。


雅おねえちゃんにお願いがあるの、と告げると、
「とにかく入れ」と言って慌てて部屋に招き入れ、温かいお茶を出してくれた。


陽月のただならぬ雰囲気を察したのか、ディアおにいちゃんはお茶を煎れてくれた後
雅おねえちゃんを呼んで、そのまま何処かへ出かけてしまった。




「……酷いお顔ですわねぇ、陽月さま……」


お茶を手に、雅おねえちゃんが呟く。


「……何日も泣き通しでは、そうもなりますわね……それで、雅にお願いってなんですの?」


なんとなく察しはつきますけれど、と言って、
雅おねえちゃんはお茶を一口飲んでから、陽月を真っ直ぐに見た。



「……レーグラの秘薬を、造ってほしいの」



陽月の言葉に、おねえちゃんは特に驚いた様子もなく、持っていたお茶をことん、と置いた。



「……やっぱり、そうだろうと思いましたわ」


おねえちゃんはテーブルの上で手を組んで、少しの間、黙りこんだ。


「……造ることは簡単ですけれど、ご存じの通り、レーグラは毒です。
何故欲しいのか…きちんとした理由を、陽月さまの口からお聞かせ願えます?」



陽月は頷いて、ぽつりぽつりと話し始めた。


昇天の儀からこれまでの日々。


……あんなに泣いたのに、まだ涙が溢れるのは、どうしてなんだろう。


泣きながら話すのを、おねえちゃんは黙って聞いていてくれた。



「……楓さんのいない世界には、もう耐えられない。陽月…楓さんがいないと、生きていけない」


……話し終わり、沈黙がおとずれる。



と、雅おねえちゃんが不意に口を開いた。


「先ほども言いましたが……毒も薬も、つくるのは簡単ですわ。
材料があれば出来ますから。でも陽月さま…一つよろしいです?」


おねえちゃんの言葉に顔をあげると、寂しげな瞳で、でも厳しい口調で、陽月に言った。


「寿命を全うせず、お子さま二人を此処に遺して、自殺してまで傍にいって……
それで楓さま、本当に喜ばれますの?」


その言葉に、はっとする。

月花と風花を、思い出す。


大好きな父親を亡くして、あの子たちだって悲しかったはず。


でも、あまりに陽月が泣いてばかりいたからあの子たちは泣けなくて、
それどころか二人とも、毎日陽月を慰めてくれた。



「…遺された陽月さまがそれだけ泣いて思い詰めたのならば、遺される人の気持ちがお分かりでしょう?
遺されるお子さまたちと雅たちの気持ち…分かりますでしょう?
誰も、陽月さまが今すぐに逝くことで喜んだりしませんわ。悲しみの連鎖が続く…それだけ」


ケヤトロの楓さまも、きっと追い返そうといたしますわきっと、と、雅おねえちゃんは微笑んだ。



「誕生日が来て年を重ねれば、例外なく、召される日がきます。
その日まで、楓さまの分までお子さまの成長を見守って生きるのも、いいんじゃありません?」




雅おねえちゃんの言葉に、さっきまでとは違う涙が、溢れた。


……あぁ、陽月は、なんて弱くて自分勝手だったんだろう。


自分が哀しいことばかりで、娘や周りのみんなのこと、すっかり忘れてしまっていた。


「…もう一度、考えてみてくださいませ。もし、どれほど考えても楓さまのお側に逝きたいと申されるのであれば・・・
その時はレーグラでもなんでもおつくりいたしますわ」


陽月は頷いて涙を拭い、立ち上がる。


雅おねえちゃんも立ち上がり、玄関のドアを開けてくれた。


「またいつでもいらっしゃいな。いくらでも、お相手いたします」
「うん……ありがとう、雅おねえちゃん。じゃあ…また。」


そういうと、雅おねえちゃんは微笑って手を振った。
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プロフィール

朱志香 右代宮

Author:朱志香 右代宮
~現在二十代目~

武術:ルース魔法師団・ナーイ拳術師団・武功門(たまにリズリー戦士団)
仕事:カツーリ協会


~中の人~
ゲームと読書が大好きな2児の母。

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